
PRセンターで山本みずきiRONNA特別編集長(左)に再処理の仕組みを説明する赤坂広報部部長【拡大】
一方、再処理工場が本格操業した場合の周辺の放射線量の評価値は年間約0.022ミリシーベルトとわずかであり、自然界から受ける放射線の100分の1程度と極めて影響が少ないことに驚いた。自分のイメージとは異なる事実を前にして、まずは何事も事実を把握することの大切さをあらためて認識した。
長期的かつ一貫性を持って
東日本大震災以降の日本は、エネルギーに関する情報が錯綜(さくそう)し、私たちはどの情報源を信頼すればいいのかわからない、いわゆる情報不信の状態に陥っている。事実を無視した意見、あるいは偏った情報に基づく賛否などは個人のイデオロギーでしかなく、そうした短絡的な発想でエネルギー問題を軽々に論じてよいのか、私は常に違和感を覚えている。
日本のエネルギーの選択は、今日明日といったものではなく、10年後、50年後、100年後を見据えて長期的に、一貫性を持って行うべきである。将来を担う私たち世代は、正確な情報を理解して、多面的な視点から物事を判断するといった冷静な目を養う必要がある。エネルギー問題は感情論で判断してはいけない。
資源に乏しい日本の現実的な選択として、原子力発電、原子燃料サイクルを含めた日本のエネルギーの在り方をみんなで考えていきたい。
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【プロフィル】山本みずき
やまもと・みずき 1995年福岡県生まれ。慶大法卒。高校時代に福岡市親善大使として活動する一方、ボランティア活動団体「Peaces」を設立。ジュネーブの国連欧州本部で世界的な軍縮を英語でスピーチした。2013年、「18歳の宣戦布告」(月刊正論2013年5月号)で論壇デビュー。国内外で講演・執筆活動に取り組む。