【千葉元気印企業大賞】キーパーソンインタビュー (3/5ページ)

　＜企業プロフィル＞２００３年にクラフトバンド販売を始め０６年法人化。「顧客の人生の役に立てる社会貢献型事業が成功の素」という理念の下、手芸指導者育成、編み方教室や通信教育による技術普及を図る。ネットショップ顧客数約６万人。在庫カラーは常時２００種以上、考案オリジナルカラーはその過半数。バッグなど完成品は実用性が高いという特長を生かし、震災被災地で高齢者を中心にバッグを編んでもらう就業支援も。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◇

　■障害者と健常者　「共に生きる」社会を目標に

　□喜本由美子　ＮＰＯ法人ラフト理事長

　障害者支援ＮＰＯ法人の活動が２月で１０年目に入った。「『現状維持』でなく、先へ先へと走り続けてきたつもり」。若い頃、社会福祉の道を行くと決めてはいなかった。文化人類学を専攻、フィールドワークのため独りで渡ったタイ。障害児４００人が入る施設での１カ月間のボランティア活動で家族と別れた子供と過ごしたことが、進む道を決めた原体験となった。

　「子供とは、遊ぶことぐらいしかできなかった」。帰国後も残る無力感。たどり着いたのは「今できることをやろう」という境地。学生時代のボランティア先だった千葉市内の障害者作業所を手伝うことから社会人生活のスタートを切る。「今できること」の事始め。２年後には船橋市の地域生活支援センターに移り、マンツーマンのヘルパーサービスをつぶさに学んだ。