
シャープの戴正呉社長【拡大】
経営再建中のシャープは30日、役職員に対する報酬としてストックオプション(新株予約権)を平成29年度にも初めて発行する考えを明らかにした。シャープは28年8月に台湾・鴻(ホン)海(ハイ)精密工業の出資を受けて以降、業績が急回復している。株価と報酬額を連動させるストックオプション制度の活用により役職員の意欲を引き出す。
シャープ首脳は、ストックオプションについて「来月、再来月にも実施したい」と述べた。シャープの株価は28年8月に87円まで下落したが、今月29日には終値で450円まで回復した。
シャープは28年5月にストックオプション制度の導入を決めた。シャープ本体のほか、子会社や関連会社の取締役、執行役員、従業員を対象に、普通株式で1000株を1個とし、19万2千個を上限として発行することを決めている。発行内容、スケジュールなど具体的な条件は今後詰める。
シャープは28年3月期に債務超過に陥ったものの鴻海精密工業の傘下に入って以降、業績は急回復している。29年3月期の連結業績は、3期ぶりに経常黒字に転換すると予想している。