
枝を長いまま残して加工した「枝付き丸太」【拡大】
村内と吉野郡内、京都・北山に計4カ所の倉庫があり、ストックしている銘木は3万本以上。「『ここを歩いていると、森の中を歩いているようだ』と言った人もいた。ここはストックヤードであり、木のギャラリーでもある」と徳田社長。
国内外合わせて年間500社以上の関係者が、木を求めて徳田社長のもとを訪れるという。「『なぜ、こんなにそろえておかないといけないの』と聞かれるが、木を探してお見えになる方が、どんな木が欲しいかはさまざま。今売れるから置いてあるのではなく、いずれ木々に“ご縁がある”お客さんが来る可能性があるから、置いておかないといけない」と話す。
倉庫の3階スペースには、艶やかな木の表面が美しい「磨き丸太」がずらりと立てて並べられている。「磨き丸太は和風家屋が少なくなったこともあり、市場規模が小さくはなっているが、主力商品だ」と徳田社長は言う。黒滝村は、床柱などに使われる磨き丸太の古くからの産地の一つ。多い時には村内だけで40軒ほどが磨き丸太づくりをしていたという。
世界で一つの機械
同社では2002年、世界に1台しかない機械を機械メーカーと共同開発し導入した。長さ20メートルまでの丸太の表皮を水圧で自動でむけるうえ、乾燥により木が割れてしまわないよう、鋸目(のこめ)を入れる背挽(び)きも自動でできる「長尺自動剥皮(はくひ)・背挽き機」だ。現在、磨き丸太の製造にも活用されている。