果たしてそれは本当なのだろうか。中堅幹部の間にも疑心暗鬼が広がっている。というのも、2015年末に、コスト負担を巡ってWHと紛争になっていた原発建設会社S&W(ストーン&ウェブスター)をWHが買収した時にも、原子力部門の社員たちは「買収によって損失が小さくなる」という説明を受けていた、という。ところが1年たった16年12月に「数千億円規模」の損失が発生することが表面化。17年2月14日に会社が公表した損失額は7125億円という巨額にのぼった。
しかも、この損失は「原子力事業ののれん減損」が理由だった。東芝の経営陣は16年2月に「新生東芝アクションプランの進捗について」という発表をした際にも、「減損の兆候なし」として損失計上は不要という姿勢をとっていた。マスコミがWHは減損が不可欠ではないかと報じていたタイミングでのことだ。
ところがそれから2カ月後の16年4月になると、東芝の経営陣は一転して「無形固定資産の価値が増大した結果、相対的にのれんが減少する」という一般のビジネスマンでは理解不能な理屈を付けて、2600億円の減損損失を16年度の決算に計上する予定だとした。それから8カ月余りで7125億円に損失額が膨らんだのだ。「もう経営陣の言う数字は信じられない」と中堅幹部は吐き捨てる。