中堅幹部も疑心暗鬼 東芝の債務は本当に「1兆円」で終わるのか (4/5ページ)

2017.5.7 13:09


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 もうひとつ懸念されるのが東芝の資金繰りだ。「のれん減損」というと、通常は買収した価格と実際の価値の差額を損失処理するという意味で、新たな資金負担が生じないケースをイメージしがちだ。だが、WHの場合、原発建設費の追加負担など実際に資金が必要になるものが多いとみられる。WHの借金に対する親会社保証にしても、履行すればWHに代わって返済する資金が必要になる。通常の長期借入金の約定返済も毎年2000億円以上ある。

 東芝は3月30日に臨時株主総会を開いてメモリ事業の会社分割を決めた。「稼ぎ頭」とされる半導体事業を切り離して、株式の過半を国内外の企業に売却する予定だ。金額は1兆円を超すとも言われる。要は巨額の損失が出る分を事業売却の利益で穴埋めしようというわけだ。WHの損失で3月期末に債務超過になっても決算発表を行う5月以降に売却が決まっていれば債務超過解消にメドが付く。一応、バランスシートの辻褄は合うということなのだろう。

 「辻褄合わせ」で社員すら欺く経営陣

 この本決算を乗り切っても、東芝が抱える問題が無くなるわけではない。「時限爆弾」とも言えるのが、米国の液化天然ガス(LNG)を巡る長期契約だ。米国で「液化役務提供会社の天然ガスの液化能力及びパイプライン会社のパイプラインを、2019年から20年間にわたり一定規模利用する」契約を結んでいることが有価証券報告書に記されている。つまり、20年間にわたってLNGを引き取る契約になっているわけだ。どうやら米国でWHが4基の原発を受注する際の見返りとしてこの契約を結んだとみられている。

前途多難の「新生東芝」 更に重い足かせ

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