
決算説明会で質問に答えるソフトバンクグループの孫正義社長=10日、東京都中央区(菊本和人撮影)【拡大】
保護主義に傾くトランプ米大統領が「シャープのファン」と公言し、話題を集めている。浮かび上がるのは、同社を買収し、米本格進出を目指す台湾の精密大手、鴻海(ホンハイ)精密工業を率いる郭台銘会長の深謀と、盟友の孫正義ソフトバンクグループ社長の壮大な野望だ。
4月下旬。シャープの戴正呉社長は米ワシントンを訪れた。戴氏はホワイトハウスのスタッフと対米投資について協議し、トランプ大統領とも会談した。
戴氏によれば、トランプ氏は、自らがシャープのファンであると明かしたうえで、「シャープの製品には大きな期待を持っている」とまで持ち上げたという。
「アメリカ・ファースト」を掲げ、米企業に肩入れした政策を掲げるトランプ氏だが、どうやら身の回りにはそうしたこだわりがないらしいことはだいぶ知られてきた。セキュリティーチームがすすめるスマートフォンを使わず、韓国サムスン電子製の「ギャラクシーS3」を愛用していることは有名だ。とはいえ、彼がシャープ製品を愛用しているといった発言が伝えられたことはない。
では、トランプ氏の戴氏への発言は単なるリップサービスかといえば、そうでもないようだ。シャープと、同社に戴氏を送り込んだ鴻海は、米国で液晶パネル工場の建設を検討している。戴氏は工場を誘致する6つの州の知事らとも面会したとしている。