重工各社、造船事業改革険しく 提携や中国生産で生き残り策模索 (2/4ページ)

2017.5.18 06:00

船余りによる世界的な受注低迷で厳しい状況が続く造船業界=津市
船余りによる世界的な受注低迷で厳しい状況が続く造船業界=津市【拡大】

 一方、三菱重工は他社との連携に乗り出す。3月末に専業大手の今治造船(愛媛県今治市)、名村造船所と提携で基本合意し大島造船所(長崎県西海市)とも協議中だ。「互いの独立性を尊重しながらシナジー(相乗効果)を追求し、持続的な成長を目指す」(三菱重工)のが狙い。技術開発を共同で行うほか、設計や装備品を共通化してコストダウンを加速。急激な需要変動に耐えられる体質づくりにも取り組む。

 ほかにもIHIは、LNG船用タンクなどの構造物から撤退することを4月に決定。三井造船は2018年4月に持ち株会社制へ移行し、造船を含む3事業を傘下に置く。経営判断のスピードを速め、各事業の責任意識を高めるのが主な狙いだが、造船事業で他社と連携しやすくなる効果もあるとみられる。

相次ぐ巨額損失 雇用維持も懸念

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