総会開始から2時間以上が経過したが、株主の質問は尽きない。半導体子会社の売却に関する質問が目立つ一方で、企業風土のあり方について問いただす内容も相変わらず多い。半導体売却では、韓国のSKハイニックスが参画することで、技術流出を懸念する意見も出た。
株主「企業風土の話がたびたび出ている。それを統括する方が、自慢気げに刷新に時間がかかるとおっしゃった。360度サーベイの話もあった。今頃そんな話をしているのか。360度サーベイは普通の会社が行うものだ。東芝が今さら(それに取り組み)刷新に時間がかかるという話をするのは非常に違和感がある(会場から拍手)。15年ぐらい前に務めていた会社が今の東芝と同じような状況なったが、そこに座っている(役員の)方々が変われば企業風土は一気に変わる。風土ではなくカルチャーの話をしてほしい。それと東証2部に変更になるが、どんな問題が発生して、株価はどう動くと予測しているのか」
綱川智社長「ご心配、ご迷惑をおかけして大変申し訳ない。どこの会社にもあるが、当社にも内部通報制度というのがある。これが昨年度、2倍以上に利用数が増えた。上司にモノを言っても本人に被害がないという制度で、その利用数が増えたことが、草の根のように職場の雰囲気を変えていっていると信じている」
橋本紀晃上席常務「内部管理体制プロジェクトを担当している。株主のみなさまにご心配をおかけして大変申し訳ない。先日、東証と名古屋証券取引所から2部に指定替えになるとの連絡を受けた。特設注意銘柄であることに変更はなく、審査は継続的に行われている。審査に真摯(しんし)に対応し、内部管理の改善、指定解除をしっかり行っていく。一刻も早く改善したと認められるよう、社員一同がんばっていきたい。株価については(半導体子会社の)外部資本導入、決算と有価証券報告書(有報)の発表、米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の再建計画認定など、大きな課題をしっかりやっていくことで、株価はきっと上昇すると思うし、それを目指して役員一同がんばっていく」