
チェックインするときスマイルコールを使い笑顔で対応するスタッフ(左)=東京・新宿のプレミア新宿駅前店【拡大】
ポリグロットリンクの橋本直紀社長は「通訳は中国人の爆買い対応から、観光や仕事で来るベトナム人やネパール人への対応に移っている。しかし外国語スタッフを入れ替えるのは簡単ではない。テレビde通訳なら訪日客の95%をカバーできる」と強調する。料金は従量制を採用、必要なときに呼び出せるので気軽に使えるのが売りだ。
ビザ(査証)が不要になったタイからの訪日客増加を見越して業界で初めてタイ語対応を始めたのがアイ・ティー・エックス(横浜市西区)。「みえる通訳」(8カ国語対応)の名称で14年9月に提供を始めた。
料金は使い放題の月額制だが、無料オプションとして「さわって通訳」を用意。免税手続きなど定型文で対応できそうなときは画面を指で触って文字と音声でスピード対応。解決できないときはワンタッチで、みえる通訳に移行し映像を見ながら案内する。
さらに新サービスとして業界初の医療通訳オプション(定額制)を追加。症状の説明に専門知識が必要な場合に対応可能だ。JMIP(外国人患者受け入れ医療機関認証制度)取得病院を中心に導入が増えている。
小売店や宿泊施設などは、増え続ける訪日客の呼び込みに躍起で、そのために言語スタッフをそろえるが「1人で多言語対応できるスタッフはいないし、採用できても営業時間のすべてを任すことはできない」(飯村氏)。こうした懸念を払拭できるのが遠隔通訳サービスといえ、言葉を通じないストレスを抱える訪日客を迎え入れる大きな武器となりうる。(松岡健夫)