
インテグリカルチャーの羽生雄毅氏(右から2人目)【拡大】
--100グラム4万円でもかなり低価格になったことは分かりましたが、まだ一般消費者には手が届きませんね。培養肉の価格を店頭に並ぶレベルまで引き下げるには、何が必要なのでしょう
「培養過程の自動化・効率化と規模の経済によってそこまで価格を下げることは現実に可能だと思います。もう驚くような技術革新がなくてもそのレベルに達することができます。今は実験室の中で、人力で培養が行われていますが、その過程を標準化して現代的な生産過程にしていけば、細胞の大量培養ができます」
--誰もが気になっていると思いますが、培養肉はどんな味がしますか
「鶏肉の味がします。味をつけて食べてみたことがあります」
5年以内に提供開始
--でも、一般に売られている食肉は単なる筋肉細胞の塊ではありませんよね。肉汁、舌触りや歯応えが味の決め手になっています。牛肉は特にそうですね
「確かにその通りです。培養肉が目指している物にはいくつか種類があります。まず、ひき肉です。これは最も簡単で技術的に実証されています。消費者はひき肉の味と食感の違いが肉の質そのものよりも添加物と肉をひく工程によるだろうと思っていますから、期待を満足させることもできます。次にベーコンです。“細胞の足場”の上に筋肉細胞を培養する技術を要する点が複雑ですが、まだ比較的再現が簡単だと思います。最も難しいのがステーキ肉です。肉そのものに由来する食感を楽しむのがステーキです。動脈、脂肪、神経、そういったすべての器官に気を配らなくてはならないので、実験室で培養するのが最も難しい種類といえます」