
インテグリカルチャーの羽生雄毅氏(右から2人目)【拡大】
--消費者は実験室で作られた肉を食べることに抵抗がないでしょうか
「世界中でアンケートが行われています。多くの人が培養の方法について説明を聞き、環境に良いと分かると試してみたいと言います。培養肉を食べることに対する壁は、今のところ社会的・文化的・倫理的な課題よりも、コストの方が高いようです」
--今後10年で培養肉が一般に販売されるようになると予想しますか
「私たちの細胞培養技術が最初に商業利用されるのは食品分野ではありません。製薬会社の薬の開発に役立てられることになるでしょう。培養した肝臓の細胞や皮膚の細胞は、天然の物よりもずっと安いです。すでに医薬系企業と共同で研究を進めています。特に肝臓細胞の培養については、この分野で実用化される可能性が高いです」
--なるほど。では培養肉が消費者の口に入るのはいつでしょう
「5年以内には、世界の最先端のレストランや専門店で提供されるようになると思います。高価で珍しくて、環境負荷の低い食品として、ある一定の富裕層が食べるようになるでしょう。15年もすれば、農場で育てられた家畜の肉よりも値段は安くなると思います。そうなれば、スーパーでも販売され、普通の食品として消費者が手に取ることも可能です」
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少し期待していたが、インタビューでは実験室生まれの鶏肉を食べられなかったのが残念だ。培養肉はそのうち珍しくなくなり、日常的に食卓にのぼる光景が現実になるのだろうか。