
SOMPOホールディングスグループ2社に「明日へのちから」の商品説明を行う安藤克行アイアル少短社長=8月29日、東京都品川区【拡大】
同社はこれまで、自殺や孤独死に対応する家主向け保険「無縁社会のお守り」、不妊治療中でも加入できる「子宝エール」といった業界初の商品を多く開発。また未病予防に寄与する保険「ヘルスケア応援団」を手掛けた実績が評価された。
安藤克行社長は「創業以来、頼まれれば商品開発するといってきた。(2006年の少短業界誕生から)10年たってようやく大手保険会社から認められた」と喜ぶ。その上で「王道の商品は出尽くした。今後はリスク細分やニッチマーケット、ユニークな商品開発が激化する」と予測する一方で、「こうした商品は収益性が見えにくいので開発コストをどうするか。大手は商品化を見送るだろうから少短の出番が増える」と読む。
これからは少短が市場を切り開いて顧客を取り込むきっかけをつくり、大手が市場を広げる展開になるというわけだ。安藤氏は今回の協業について、「大手は『少短を活用したトライアル』というオプションを手に入れた。ライバルではなく共存共栄できる」と説明する。
もともと少短は「あったらいいな」という生活者の発想を生かした商品開発を得意とする。ジャパン少額短期保険(同千代田区)が扱っている「痴漢冤罪(えんざい)ヘルプコール付き弁護士費用保険」もその一つ。痴漢に間違われるという事件発生から48時間以内の弁護士費用を補償する。
日本少額短期保険協会が募集している「おもしろミニ保険大賞コンテスト」で佳作となった作品をヒントに開発した。同社の杉本尚士社長は「満員電車に乗る機会が多いところでは、いつ痴漢冤罪に遭うか分からず巻き込まれると仕事や人生を失いかねない。それを守る保険」という。