痴漢冤罪保険があれば… 「少額短期」保険市場切り開く ニッチな商品開発に脚光 (3/4ページ)

SOMPOホールディングスグループ2社に「明日へのちから」の商品説明を行う安藤克行アイアル少短社長=8月29日、東京都品川区
SOMPOホールディングスグループ2社に「明日へのちから」の商品説明を行う安藤克行アイアル少短社長=8月29日、東京都品川区【拡大】

 今年5、6月に都内で痴漢を疑われ線路から逃走する事件が相次ぎ報道されたこともあって申し込みが急増、4月までの月間数十件ペースから5月には900件を超え、6月は2200件に達した。保有契約5000件の半分以上を2カ月間で獲得した。同時に「女性から『夫や息子のために加入したい』との声が多く届き、それまでは男性だけだった契約者を女性まで広げた」(杉本氏)ことも寄与した。

 視線の先に生活者

 企業規模が小さく意思決定が迅速な少短はニーズへの素早い対応力が真骨頂といえ、時流に沿った商品を提供できる。杉本氏は「コンテストへの応募作品は時事問題を反映したアイデアも多く、商品開発のヒントが隠されている」と指摘する。

 需要があってもターゲットが限られるため、保険会社では対応できない商品を提供できるのも少短の強み。ぜんち共済(同千代田区)は知的障害者向け保険を専門に扱う。00年に前身の全国知的障害者共済会が発足して以来、ぶれることなく、このニッチ市場を深耕してきた。

 榎本重秋社長は「障害者が抱える課題は奥深い。深すぎて他分野に出る余裕はない」といいながらも、「一つに特化し、専門性を発揮した保険会社として成長する」と明言。必要とする知的障害者74万人に対し、地道に保険の必要性を訴えていった。

 そのかいあって、安心できる会社として口コミが広がり、契約者を獲得。提供する「ぜんちのあんしん保険」の更新率は96.5%と極めて高く、保険会社が入ってきても追随できないビジネスモデルを構築した。

「小さいが確実に需要がある」