神鋼、日産…不祥事に歯止めがかからない 再発防止策を徹底直後に不正露見 「係長と課長のコミュニケーションギャップ」? (2/3ページ)

記者会見の冒頭で頭を下げる日産自動車の西川広人社長=19日午後、横浜市西区(福島範和撮影)
記者会見の冒頭で頭を下げる日産自動車の西川広人社長=19日午後、横浜市西区(福島範和撮影)【拡大】

  • 記者会見で謝罪する神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長=13日午後、東京都内のホテル

 日産は正規の検査員が無資格の従業員にはんこを貸す手口で、国の規定に反して新車の最終検査をしていた。西川社長は「現場責任者である係長と課長とのコミュニケーションギャップが背景にある」と説明するが、違反を認識しながら組織ぐるみで不正に手を染めていた疑いもある。

 一方、神戸製鋼の性能データ改竄問題では、製品が顧客と取り決めた仕様に満たない場合、了解を得た上で引き取ってもらう習慣「特別採用(トクサイ)」を一部で悪用していたことが判明。トクサイ自体は不正ではないものの、データを改竄して出荷した製品までそう称していた。

 国内の製造業は海外勢との厳しい国際競争にさらされている。一方で、製造の現場は効率化を名目にぎりぎりまで人員も絞り込まれている中、受注を獲得し、納期を達成するための強いプレッシャーがかかる。

 神戸製鋼は経営陣による不正の指示を否定。現場が納期厳守の重圧を過度に感じていた可能性は否めず、川崎博也会長兼社長も「ないとはいえない」と話す。日産の西川社長も、限られた人数で作業するよう現場に重圧がかかっていたのではないかとの問いに、「そうした土壌はあったのではないか」と認めた。