このアピールが、結実したともいえるだろう。日産は17年10月、1回の充電で走れる距離を400kmまで伸ばした新型リーフの販売にこぎつけた。
トヨタ、日産、ホンダの覇権争いのゆくえ
トヨタが大きく先行するハイブリット車での競争を回避し、EV開発へ経営資源を集中するという日産の戦略は、ある意味では大きなカケだったが、トップランナーが重点を置かない分野を攻めるというのは、理にかなった戦術ともいえるだろう。今日、EVへの追い風がここまで吹くとの確信があったわけではないだろうが、EV「ゾエ」のルノーを含め、日産グループがEV陣営の拡大に注力したのは事実である。
16年10月、日産は2373億円を投じて、三菱自動車の株式34%を取得した。三菱自動車はインドネシアやフィリピンなどで三菱商事、双日といった総合商社とタッグを組んでおり、その販路の活用も視野に入れたことだろう。三菱商事は一時期、三菱自動車に1400億円を出資、現在もおよそ9%の株式を所有している。もちろん、EVの仲間を増やす目的も大きかったはず。三菱自動車のEV「アイ・ミーブ」の発売は、日産に先行する09年である。
日産・ルノー・三菱自動車の3社連合は、戦略的協力関係を結んでいるドイツのダイムラーや中国の東風汽車などとも、EVや自動運転車を推進する。一方で、日産はNECと合弁でスタートさせたEVの心臓部ともいえるリチウムイオン電池の生産からは撤退し、調達に切り替える。新たな段階に進む、ということだろうか。
ホンダの場合は、トヨタと同じようにハイブリッド車や燃料電池車で先行しているだけに、当面はEVを含めてエコカーを推進するという全方位作戦でいくようだ。