3メガバンク計3.2万分業務“大リストラ”&店舗縮小、一斉表面化のワケ (1/3ページ)

三菱東京UFJ銀行の本店=東京都千代田区
三菱東京UFJ銀行の本店=東京都千代田区【拡大】

  • 三井住友銀行の本店=東京都千代田区
  • みずほ銀行の本店=東京都千代田区

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、みずほFG、三井住友FGの3メガバンクが店舗削減や人員スリム化など国内業務の大規模な構造改革(リストラクチャリング)に乗り出す。日銀の金融緩和による低金利や人口減少で経営環境が悪化する中、費用を大幅に見直して収益力を高めるのが狙い。3メガが削減する業務量は、単純合算で計3万2000人分にも及ぶ。3メガの大規模リストラの動きがこのタイミングで一斉に表面化したワケは…。

 「地方銀行を中心に金融機関の店舗や従業員の数が多すぎることが収益力低下につながっている」。日銀は10月23日に発表した金融システムリポートで、こう分析した。

 直接的には地銀への言及だが、3メガも同じ課題を共有しており、既にそれぞれの経営陣が数年前から現場に業務効率化を指示していた。日銀のリポートが公表されたのを受け、3メガが水面下で策定を進めてきた効率化の“たたき台”が一斉に報道された形だ。

 現在、3メガの中で最も店舗数が多いのはみずほFGで、傘下のみずほ銀行の支店を中心に約800店を抱える。従業員は、契約社員なども含めれば約8万人。東京都内では「JR山手線の全ての駅前の一等地に支店がある」(幹部)状態で、渋谷にはATM(現金自動預払機)が30カ所あるという。

 日銀の大規模金融緩和で「金余り」が続き、貸し出しは伸び悩んでいる。さらに、マイナス金利政策で金利は低く抑えられ、銀行の利ざや(貸出金利と預金金利の差)は縮小を余儀なくされている。その一方、「賃料と人件費を合わせた年間数億円の支店費用は変わらず、経費の比率は上がり続けている」(関係者)という。

今後、銀行の店舗はどう変わるのか