小売りは値下げ、外食は値上げ 人件費高騰は同じでも…割れる戦略 (1/2ページ)

17日から食品や日用品などを値下げした西友。赤羽店(東京都北区)では初日から多くの客で賑わった
17日から食品や日用品などを値下げした西友。赤羽店(東京都北区)では初日から多くの客で賑わった【拡大】

 小売りと外食業界で価格戦略の違いが目立ってきた。スーパーなど小売りは値下げが相次ぎ、逆に外食は値上げの動きが広がる。根強い節約志向と人件費の高騰は共通だが、小売りが扱う商品の多くはメーカー製で差別化しにくいため、価格競争に陥りやすい。一方、外食は人件費の比率が高い上に原材料費の上昇も重なり、コスト負担に耐えきれなくなっている。

 大手スーパーの西友は17日、大手メーカー製の冷凍食品など食品や日用品を中心に644品目を3~9%値下げした。赤羽店(東京都北区)では同日、値下げされた商品などを買い求める客で、午前中から混雑した。同社の広報担当者は「値下げした商品は、よく売れている」と話す。

 西友は、親会社ウォルマートのノウハウも生かした大量仕入れで安値につなげた。8月に値下げしたイオンも、価格改定は「物流の見直しや大量購買で実現する」(幹部)と説明。大量仕入れを背景にした取引先との“交渉力”などが、小売りの値下げ原資だ。