インターネット通販大手で、米国でシェア首位の人工知能(AI)スピーカーを8日に国内で発表したアマゾンジャパンが、同日以降、競合するLINE(ライン)のAIスピーカーの販売を禁止していることが19日分かった。ネット通販市場で力を持つアマゾンがライバル製品を締め出したことについて独占禁止法違反の可能性もあるとの指摘も専門家から出ており、AIスピーカー競争が過熱する中でのアマゾンの今回の対応は波紋を呼びそうだ。
LINEのAIスピーカー「クローバウェーブ」は10月5日の発売以降、クローバの公式サイトのほか、楽天の「楽天市場」やアマゾン内にLINEが出店している店で購入できた。しかし、アマゾンがAIスピーカー「アマゾンエコー」を8日に発表以降、アマゾンの商品一覧からクローバウェーブは削除された。
これに対して、LINEがアマゾンに理由を問い合わせたところ「販売禁止商品に指定された」との回答があったが、禁止指定の理由については説明がなかったという。
LINE幹部は不快感をあらわにしたが、出品規約にアマゾンが出品禁止と判断した場合、即座に削除する場合があると明記されており、LINE側は今後の対応については「公正取引委員会の対応を待ちたい」(幹部)と静観の構えだ。
アマゾンは19日「さまざまな状況を考慮し常々、商品の品ぞろえを判断している」と回答。