コンビニ流で駐車場を革新 プラットフォーマー「akippa」が手掛ける異業種の橋渡し (4/6ページ)

 akippaはスマホで駐車場探しから予約、決済までが完結することから、ITリテラシーの高い人に親和性の高いサービスだ。そのようにIT慣れした人はフットワークも軽いから、一見面倒なパーク&ライドもさほど抵抗なく使ってくれる。IT時代にふさわしい需要創出のあり方として、参考になる事例だ。

▽シェアサイクルとの協業開始も、普及後押し

 なお、シェアサイクルとのコラボも特筆に値する。京都市左京区の平安神宮に隣接する岡崎公園の公営駐車場では、akippa経由でクルマを駐めるとレンタサイクル1台の料金が無料になるというサービスがこの夏から行われているのだが、歩いて30分の距離でも自転車なら5~6分で行けることから、パーク&サイクルの便利な拠点として認知され、自転車がない駐車場と比べて稼働率が1.2倍ほどになっているという。

 くわえて、シェアサイクルの大手事業者と近々、大都市を中心に協業を開始する予定もあるのだという。シェアサイクルでは自転車の貸し借りができるポート(駐輪場)の数をいかに増やすかが課題になるわけだが、ここで記事の冒頭で触れた、コンビニよりも市街地に数が多い駐車場の存在がぐっと引き立ってくる。

 駐車場の立地条件にもよるが、たとえば3台分の区画のうち2台分が埋まるのがぜいぜいなら、残り1台分のスペースをシェアサイクルのポートにする手がある。どちらもスマホ決済なので無人サービスにできるし、駐車場オーナーの収入アップにもつながり、シェアサイクル事業者はポート網をきめ細かくできる。

 これは、日本でなかなか進まないシェアサイクルの普及を後押しする効果からも興味深い試みである。akippaが参画することで、IT慣れをした目ざとい人たちがまず使ってくれることも期待できるから、サービス開始が待たれるところだ。

電飾看板を持たない不利を挽回