
箱根駅伝で総合優勝を決め、ガッツポーズしながらフィニッシュテープをきる青山学院大学・10区の橋間貴弥=3日、東京・大手町【拡大】
ニューバランスはかつてアシックスで瀬古利彦や有森裕子、高橋尚子らのシューズを製作、「現代の名工」と称される三村仁司さんと契約。“三村シューズ”の提供を始めた。
三村さんはアシックスを定年退職後、アディダスで素晴らしいシューズを考案、契約する青山学院を常勝校に押し上げる一翼を担った。次はニューバランスで新たなシューズを創り出した。三村さんのシューズを履いてみたいという大学生ランナーに普及、飛躍につながった。
両社は「箱根」と前後して一般ランナー向けのPRを展開、シェア拡大に乗り出した。
一方シューズ市場で圧倒的なシェアを誇るアシックスは早稲田大と総括契約、「箱根」でも各ランナーのユニホームとシューズに同社のロゴが躍動した。そしてアディダスは青山学院の4連覇達成で面目を保った。
各メーカーしのぎ
攻める側と守る側。シューズメーカーによる競争は、攻守を変えて来年以降も激化するだろう。なりを潜めるオフィシャルスポンサー、ミズノの動向も気になる。いまや「箱根」とはそんな舞台でもある。
沿道の100万人ファンに加え、高い視聴率による大量のお茶の間ファンが控える。彼らがシューズに注目すれば、1000万人とも言われる市民ランナー市場が動く。3万5000人が都心を走る2月末の「東京マラソン」にも影響を与える。
「大学スポーツはあくまでも教育の場」と、こうした風潮を嘆く人も少なくない。確かに正論である。
しかし、大学スポーツの活性化を考えたとき、「箱根」効果への期待もまた決して小さくはないのである。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)