
第一勧業信用組合のインターネットラジオ番組で事業や展望について語ったKIYOラーニングの綾部貴淑社長(左)。右はパーソナリティーを務めた新田信行第一勧信理事長=2017年12月、東京・四谷の第一勧信本店【拡大】
救ったのが第一勧信の1号ファンドで、16年2月に最初の投資実行先となった。17年6月に追加出資を受けたほか、初めての借り入れにも応じてくれた。綾部清淑社長は「手厚く支援してもらった。特に追加出資が大きく、他のVCへの信頼につながった」と述懐する。創業初期に経営者が抱える“お金の壁”に第一勧信は応えた。順調に業容を拡大、19年12月期をめどに上場を目指す。
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■投資資金回収の出口戦略も視野
出資で創業支援というスキームを創った全国信用協同組合連合会の内藤純一理事長は「人口減少や高齢化などで中小企業、小規模事業者は激減している。だからといって信組は地域を引っ越すわけにはいかない」と指摘。その上で「地域に根を張って、元気づけて生き残るしかない。貸し出す金融から育てる金融への転換の時期で、ファンド設定は大事だ」と説明する。
全国の信組が設立したファンドは計6本。2015年2月に、飛騨信用組合が「飛騨・高山さるぼぼ結ファンド」を立ち上げたのが最初で、秋田県信用組合、いわき信組、第一勧信と続いた。
ファンドとしては、投資資金の回収という出口戦略が問われる。FVCの松本直人社長は「IPO(新規株式公開)だけが出口ではない。企業成長での回収もある」と話す。第一勧信は投資期間終了後に経営者に買い取ってもらうなどの出口も想定。最終的に投資期間平均で年1%程度の収益を見込む。2号ファンドでは投資期間を1号の8年から10年に延長し成長機会を増やした。
地域経済の疲弊により収益先細りに危機感を抱く信組は少なくない。創業が増え、ベンチャーが成長すれば地域に雇用を生み、地域を活性化させる。それを見据えて信組は投資先と二人三脚で企業成長に取り組む。(松岡健夫)
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■磐城国地域振興ファンドの投資実行先(会社名/投資実行日/出資額/事業内容)
HealtheeOne/2016年3月 17年9月/2000 1000/医科向けシステム・サービス開発
いわきユナイト/17年9月/2000/地域商社事業
エコエネルギーシステムズ/17年12月/1800/農業クラウド開発
まちもりシオカゼ/18年1月/2000/地域活性化事業
福島SiC応用技研/18年1月/2000/放射線治療機器開発
※金額は万円(いわき信用組合調べ)