他人事でない「東芝ショック」 不適切会計が激増 グローバル化や連結・時価が落とし穴 (2/4ページ)

 開示企業数が増加しているのは、2015年5月に発覚した東芝の不適切会計問題以降、開示資料の信頼性確保や企業のガバナンス強化の取り組みを求める声が浸透し始めたことが背景にあるとみられる。

 内容別では、経理や会計処理ミスなどの「誤り」が29社(構成比45.3%)で最多だった。次いで、「架空売上の計上」や「水増し発注」など営業ノルマの達成を推測させる「粉飾」が22社(同34.4%)と続く。

東芝臨時株主総会の会場受付へ向かう株主ら=2017年10月24日、千葉市美浜区

東芝臨時株主総会の会場受付へ向かう株主ら=2017年10月24日、千葉市美浜区

 子会社・関係会社の役員や従業員による着服横領は13社(同20.3%)で、「会社資金の私的流用」、「商品の不正転売」など、個人の不祥事についても監査法人が厳格な監査を求めた結果が表れているようだ。

◆目立つ子会社による売上・利益のかさ上げ

 発生当事者別では、最多は「子会社・関係会社」の30社(構成比46.8%)で、2016年度の17社から13社増加した。子会社による売上原価の過少計上や架空取引など、見せかけの売上増や利益捻出のための不正経理が目立つ。

 「会社」は23社(同35.9%)だったが、会計処理手続きの誤りや事業部門で売上の前倒し計上などのケースがあった。「会社」と「子会社・関係会社」を合わせると53社で、社数全体の82.8%と多数を占めた。

海外展開で不適切会計に手を染める例も