「稼げる」ネット広告、不正も 2000億円市場、背景にスマホ普及 (4/4ページ)

 「審査の目をくぐり抜けて不正に及ぶアフィリエイターがいる」。ASP大手「バリューコマース」(東京)の担当者がため息をつく。

 同社は契約するアフィリエイターのサイト開設時に、法令違反の有無などを審査し、違反があれば強制退会や契約解除とする。しかし、事前審査で問題のなかったサイトが、会社の営業時間外である夜間や休日に「飲むだけで若返る」「不妊が治るサプリ」などと、医薬品医療機器法違反となる記述を掲載していたことが発覚した。

 契約を打ち切っても、アカウント名や口座番号を変えて再登録するケースも。担当者は「大多数はルールを守っている。一部で手口の悪質さが巧妙化している」と話す。

 広告主やASPの不正もある。同協議会によると、両者が組み、自社製品にライバル社より優れた効能があると書くようアフィリエイターに指示し、検索結果の上位に表示させるよう働きかけた例も判明している。

 同協議会は不正を防ぐため、消費者庁や日本広告審査機構(JARO)と情報交換して実態把握に努めるほか、アフィリエイト初心者向けの講習会で法令順守を訴えている。

 笠井北斗代表理事は「本来はアフィリエイターと広告主、ASP、消費者の全員が利益を得られる仕組み。誰かが不当に利益を得ようとすると、最終的に不利益を受けるのは消費者だ。アフィリエイトの健全な発展のために、業界で相互に監視する仕組み作りが急務だ」と話している。