【高論卓説】米の輸入車関税引き上げ検討 現地経済に寄与する生産体制再構築を (3/3ページ)

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 NAFTAの枠組みが存続するならば、現地化が進み、現地経済に寄与する新しいドメスティック産業の地位は揺らがない。この利害関係を崩壊に追い込むような政策は、政権にとって簡単に切れるカードではない。日米通商協議の結果が、自動車産業に際立った構造的な生産体制改革に向かう結論は想定していない。

 日米通商交渉に向けて、国内自動車産業は、将来決定する可能性の高いNAFTA新ルールに即した、原産地ルールに適応する北米での生産体制を再構築し、米国自動車産業の競争力向上につながる高付加価値製品や技術の現地化と米国からの輸出ビジネス拡大の質的な対策を急ぐべきだろう。国内政策面では、日本市場アクセスの容易化を推進し、交渉で問題視される「非関税障壁」の不信を取り除くことに努めるべきだ。

【プロフィル】中西孝樹

 なかにし・たかき ナカニシ自動車産業リサーチ代表兼アナリスト。米オレゴン大卒。山一証券、JPモルガン証券などを経て、2013年にナカニシ自動車産業リサーチを設立。著書に「トヨタ対VW」など。