自動車

「お坊ちゃん」ではなく「超お坊ちゃん」なんです…トヨタ社長自身がそう名乗る真意 (5/6ページ)

 正体を隠すための名前だったが、モリゾウのブログを始めたり、他メーカーの車にコメントしたり。次第に企業トップの立場では言えない本音を語るツール(道具)として活用するようになる。「モリゾウは豊田章男の素の部分を引き出してくれる」という。

 本音を伝えるコミュニケーション道具

 この呼び名は社内にも浸透した。16年、あるラリーの会場で、出場するトヨタ社員から「きょうは社長じゃなくてモリゾウさんですよね」と声を掛けられた。「もう、ぽんっと距離感が近くなってね」。自由闊達(かったつ)な雰囲気が柔軟な発想のクルマづくりにつながることを期待する。

 17年4月の社内向けメッセージでは「皆さんの中にモリゾウをつくってみてはいかがですか」と呼び掛けた。部下の本音を聞き出せるよう、上司の肩書を外して向き合ってほしい。モリゾウという存在に助けられてきた実感を込めた。

 自分を消す隠れみの、本音を伝えるコミュニケーション道具、そしてモリゾウを持つことの勧め--。モリゾウとの関係の変化に、章男社長が経営者としてたどった10年が表れている。

 モスクワ五輪を目指すホッケー日本代表に

 シャープな顔立ちに、ふさふさの頭髪、鍛え上げた太もも。20代前半の豊田章男社長は、セピア色の写真の中でスティックを巧みに操り、躍動している。

 中学まではサッカー少年。名古屋を離れて進んだ慶応高で、いとこに誘われてホッケー部に入った。慶応大でも体育会ホッケー部で仲間と練習や試合に明け暮れた。1980年のモスクワ五輪出場を目指した日本代表メンバーでもあった。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus