「現場の声」拾いアルバイト定着、飲食業界などで導入進む人材活用システムとは (3/3ページ)

人材活用システム「パフォーマンスプラス」で社員の声をチェックする。ブラック企業壊滅にもつながり、導入が広がっている
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 一方、ある大手居酒屋チェーンは、このシステムの導入に向けたトライアルで、アルバイト店員が「店にネズミがたくさん出て困っている」などとコメントで書き込んだ。カイゼンにつながる絶好のチャンスだが、この会社の場合、「こんなことが経営陣にバレたら問題になる」と、導入を見送ったというから、まさにブラック企業だ。

 システムはそもそも、会社側が現場の不安やSOSを素早くキャッチし、働きやすい環境をつくることで、アルバイト・パートの貢献意識を高め、生産性をアップすることを目的にしている。その結果、アルバイトの定着率や経営の安定性を高めることができる。

 ただ、システムの導入を見送った大手居酒屋チェーンのように、そもそもホワイト化する気のない企業には変革のチャンスは訪れない。

 槇副社長は「4割が非正規雇用という状況の中で、アルバイトの定着率の低さは経営の安定を損なう。アルバイト紹介大手はあるが、アルバイトを定着させるのが私たちの仕事。ホワイト企業でないと生き残れない環境を日本につくりたい」と話す。(大塚昌吾)