
東京・代官山の「スプリングバレーブルワリー東京」。店を代表するクラフトビールとそれに合う料理のセット【拡大】
低迷が続いてきたビール販売だが、ここに来て「クラフトビールブーム」「泡戦争」など市場に活性化の兆しが見え始めた。背景には、多少価格が高くても品質の良いビールを飲みたいという消費者ニーズに応えたビール各社の工夫や、2026年のビール類の税率一本化を見据えた商品戦略がある。
手作り感が好評
7月末、東京・代官山にあるクラフトビール・レストラン「スプリングバレーブルワリー東京」。午後7時すぎ、250席ある店内は若い女性客やサラリーマンなどでにぎわっていた。
テーブルには茶色や琥珀(こはく)色などのビールが入ったグラスが並ぶ。
「この店が提供するビールはすべてクラフトビール。個性豊かで手作り感満載のビールは女性客に人気です」とキリン広報の兵頭俊昭さん(37)は話す。
キリンは14年に「クラフトビール戦略」を発表。15年に代官山と横浜に、17年に京都にビアレストランを開業。さまざまな種類のクラフトビール販売に力を入れてきた。
アサヒビールは1990年代からクラフトビールを手掛け、サントリーとサッポロビールは15年に実質参入した。
「ビール類にはビール、発泡酒、第3のビールと3種の税率がありますが、段階的に縮小し26年に350ミリリットル当たり54円強に一本化されます。販売の半分を占めるビールの税率が下がり、売れるようになりそう。クラフトビールに力を入れ、ビール見直しへの起爆剤にしたい」と兵頭さん。