町おこし奏功、熱海“廃虚”からの復活 「観光客の前に地元の人に魅力」が成功の秘訣 (2/3ページ)

 マルヤを運営するのは、熱海の中心市街地再生事業を手掛けるmachimori(マチモリ)の市来広一郎社長。「若い人を呼び込むことで商店街を活気づけ、『熱海のファン』をつくる」狙いだ。

 毎週土曜日には宿泊客向けに周辺を散策するツアーを開催。高度成長期の面影を残した古き良き時代の雰囲気が残る街並みは若者には新鮮に映るようだ。三島由紀夫や谷崎潤一郎といった文化人も通った老舗純喫茶「ボンネット」が会員制交流サイト(SNS)で紹介され、人気店になるといった現象も起きている。

JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」も2017年度の「年末年始コース」で熱海に立ち寄った(JR東日本千葉支社提供)

JR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」も2017年度の「年末年始コース」で熱海に立ち寄った(JR東日本千葉支社提供)

 地元の魅力再認識

 熱海が最も活気づいたときの宿泊利用者は450万人を超えていたが、11年には半数近くまで落ち込んだ。「熱海銀座商店街の3分の1が空き店舗になった」(熱海市観光経済課)といい、市来氏は「数年で街が廃虚のようになった」と振り返る。

 市来氏は東京の大学を卒業後、コンサルティング会社に就職したが、熱海の地域おこしを担おうと07年にUターン。住民への調査で「熱海は何もない」と自信をなくして諦めている人が多いことに驚いた。

 「観光客を呼び込む前に地元の人に熱海の魅力を再認識してもらいたい」と、熱海市などと協力して農業などの体験交流ツアーや定期的な青空市を開催。青空市には徐々に人が集まるようになり、出店者から商店街の空き店舗で本格的に店を開く人が現れる。今では熱海銀座30店舗のうち空き店舗は2店のみになった。

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