【高論卓説】安倍政権「最後のドラマ」は 霞が関解体的な地方分権に期待 (1/3ページ)

自民党総裁選で連続3選を果たし、記者会見する安倍首相=20日午後、東京・永田町の自民党本部
自民党総裁選で連続3選を果たし、記者会見する安倍首相=20日午後、東京・永田町の自民党本部【拡大】

 見方にもよるが、盛り上がらないままに自民党総裁選が終わった。個人的には、米中通商戦争などに揺れる不安定な国際関係などに鑑みれば、各国首脳間での存在感の大きい安倍総理の続投が望ましいと思っていた。何より、緊急事態などへの対処において安定感のある「チーム安倍」(菅官房長官、今井秘書官など)が存続する方が、当面の荒波を乗り越える上では好ましい。

 事実上、国のトップを決める選挙なので、もう少し国民的関心が高まっても、とは思うが、そもそも政治とは、水や空気の激減時のように存在感を持つ。つまり、国民生活の安定時に意識されることはまれだ。現在の関心の低さは良いことと考えるべきかもしれない。

 残り3年で安倍総理は何をすべきか。現行ルール上、その次(4期目)はないので、レームダック(死に体)化するとの声もある。そうならないためにも、国民の関心をひきつける「大きなドラマ」が必要だ。

 2012年末に現安倍政権が成立してからしばらくは、大掛かりな金融緩和策(アベノミクス)やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加といった、世論や党内を二分する大ばくちを成功させた。

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