新卒者内定式 就活見直し、変わる一括採用 企業と大学、新たな連携模索 (3/3ページ)

NTTドコモの内定式であいさつする吉沢和弘社長=1日、東京都港区
NTTドコモの内定式であいさつする吉沢和弘社長=1日、東京都港区【拡大】

 日本の新卒一括採用は「世界に例のない仕組みで評価されてきた」(大久保氏)。海外では、景気の悪化で学業成績のいい人でも就職できないとして社会問題になることもあるが、「日本は新卒就職率が90%下回ると氷河期といわれた」(同)ほど、安定雇用が実現している。

 雇用に詳しい日本総合研究所の山田久理事は人材流出を防ぎ、企業競争力を確保するには「若年層の離職率や失業率が低い日本型採用の良さを残しながら、一定割合で職種別採用を取り入れる仕組みが必要」と指摘。大学改革と連動したインターンシップの単位認定や、入社時期を遅らせて学業成績を採用決定にきちんと反映させたり、キャリアアップ期間に充てたりする制度づくりも提案する。

 「新卒一括採用-新入社員教育-賃金や昇格の年功序列-終身雇用」という、戦後の日本経済を支えてきた雇用制度見直しの議論が、大きく動き出した。(大塚昌吾)