【京都発 輝く】アースサイド 青果の流通・生産革新で売上高1000億円狙う (1/4ページ)

1日当たり2万1000株のレタスを栽培する亀岡プラント=京都府亀岡市(アースサイド提供)
1日当たり2万1000株のレタスを栽培する亀岡プラント=京都府亀岡市(アースサイド提供)【拡大】

  • 稲田信二社長
  • アースサイドグループで販売するブランド野菜

 全国各地の卸売市場や仲卸業者、農家との間で青果物の新たな流通取引の選択肢を提供し、業績を伸ばしてきたアースサイド(京都市下京区)。近年は傘下企業のスプレッド(同区)を通じ、京都府内でレタス栽培の植物工場を展開しているのをはじめ、野菜の生産・販売や外食店の展開など、経営の多角化も進める。

 2018年10月に“第2の創業”として持ち株会社制へ移行。野菜生産など各事業を強化することで、25年を目標に売上高を直近実績の約3倍の1000億円へ引き上げる方針を示す。

 値決め疑問から創業

 京都で青果物商社の会社員として約12年働いた経歴がある稲田信二社長(58)が独立し、01年に創業するきっかけになったのは、日ごろの仕事で感じたふとした疑問からだった。

 「野菜は出来が悪くても、数が少なければ値段が高くなる。需要と供給のバランスで値段が決まるが、本当に生産者、消費者にとっていいの?と思った」

 京都をはじめ全国各地の卸売市場に集まる青果物は、各市場の入荷量などを基に取引価格が決まる。ただ、全国を見渡すと需給の違いで価格に差がみられる。稲田社長はそうした青果流通の仕組みに目を付けた。

 最初に起業したトレード(同区)を通じて、卸売市場や仲卸業者が欲しい野菜を別の卸売市場から仕入れ、翌朝には届けるビジネスモデルを構築した。

 京都リサーチパーク(KRP)内にある本社では、約35人の営業マンが電話などを使って全国各地の卸売市場と野菜の取引を行う。18年3月期の売上高314億円のうち、約7割を占める屋台骨の事業だ。

 こうしたビジネスモデルを構築できたのは、会社員時代に担当した卸売市場などとの人脈が生きたから。ただ、これまでの青果流通の仕組みを“否定”するような仕事と誤解され、「異端児扱いされたが、時間をかけてこつこつと理解してもらった」。全国にある約9割の卸売市場との取引関係を構築し、仲卸業者や生産農家にも新たな野菜の流通先として活用してもらえるようになった。

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