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4期連続赤字で“株価”10分の1…経営難に喘ぐ「SHOWROOM」 (1/4ページ)

 ライブ配信サービスを運営する「SHOWROOM」の経営が行き詰まっている。社長の前田裕二氏はベストセラーとなった『メモの魔力』などの著者であり、有名女優との交際が報じられるなど、表面上は華やかにみえるが、4期連続赤字で債務超過に陥っている。公認会計士の川口宏之氏は、「株価は10分の1に下がっているようだ」という--。

 DeNAから分社化したベンチャーの実情

 ライブ配信サービスを運営する「SHOWROOM(ショールーム)」は、DeNAの一事業部が分社化して設立した、ベンチャー企業である。

 スマートフォン向けのアプリでアイドルやタレントのライブを配信する。配信者は視聴者から「ギフティング(投げ銭)」を受け取って収益を得ることができる。いわば路上ライブで道行く人から投げ銭を得る仕組みを、ウェブ上で構築したものだ。

 配信者側も視聴者側も利用は無料。SHOWROOMは投げ銭の一部を手数料として得ることで収益源(売り上げ)としている。

 非上場企業の決算書を入手する3つの方法

 SHOWROOMは非上場企業である。上場企業であれば、四半期ごとに決算発表を行い、詳細な決算数値が公表されているが、非上場の会社はそのような情報はない。だからといって、まったく情報がないわけではない。

 株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく決算公告をすることが、会社法第440条で義務付けられている。決算公告とは、いわば簡易的な決算書だ。この決算公告の掲載義務は、設立まもない会社でも、家族だけで経営している零細企業でも、株式会社という組織形態をとっている以上は、従わなければならないルールである。

 SHOWROOMも株式会社であるため、設立1期目から決算公告を毎年掲載している。

 ちなみに、決算公告を掲載する場所は、「官報」「日刊新聞」「電子公告」の3種類がある。この3つのうち、どこに掲載するかは会社が任意に選ぶことができるが、大多数の会社は「官報」を選んでいる。

 経済合理性を考えれば「電子公告」が選ばれるはずだ。「官報」「日刊新聞」は有料の掲載料を支払う必要があるが、「電子公告」であれば自社のホームページに掲載することで、実質無料で決算公告の義務を果たせるからだ。

 人目に触れない「官報」から見えた経営の実態

 しかし、非上場企業にとっては、できる限り自社の台所事情(決算書)を大っぴらにしたくない、という気持ちがあるのだろう。業績が悪ければ世間のイメージ・印象が悪くなるだろうし、逆に業績が良すぎれば、ねたまれたり、従業員からもっと給料を出せと文句を言われたりする恐れがあるからだ。

 「電子公告」の場合、インターネット環境さえあれば、誰でも手軽に決算書を見ることができてしまう。「官報」の販売店は各都道府県に1カ所程度しかなく、一般の人の目に触れられることは極めて少ない。「日刊新聞」は、一般大衆へのさらされ度合いとしては「電子公告」と「官報」の中間に位置付けられる。

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