環境投資、2020年に倍増へ、先進国が主導権

G7エネルギー相会合
G7エネルギー相会合で、あいさつする林経産相(左)=2日午前、北九州市小倉北区

 2日閉幕した先進7カ国(G7)エネルギー相会合では経済成長と地球温暖化対策の両立を図るため、低炭素技術の投資促進が重要なテーマになった。昨年12月の温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」の合意を受け、開発競争の激化が予想されているだけに、先進国が世界の温室効果ガス排出削減をリードする姿勢を明確に打ち出す狙いがある。(田辺裕晶)

 「G7がミッション・イノベーションを通じてクリーンエネルギーの技術革新を後押しすることで一致した」。議長を務めた林幹雄経済産業相は会合終了後の共同会見でこう強調した。

 ミッション・イノベーションは日米欧に中国やインドなどを加えた20カ国が昨年11月末、環境技術への投資額を今後5年間で倍増させる計画を表明したもの。共同声明では同計画に対する強い支持を確認し、G7が実現に向け「主導的役割を果たす」と明記した。今後、産業技術総合研究所などG7の研究機関が技術開発で連携を強化する。

 また、今会合では議長国・日本の要望で、G7ではあまり触れない原子力発電の安全性確保を協議した。

 共同声明では原発が温室効果ガスの削減に「重要な貢献をする」と指摘する一方、中国やインドなどを念頭に置き、原発を導入するすべての国に最高レベルの安全性確保や、外部評価の受け入れなどを求めた。

 中国は2030年までに「原発強国」を造ると宣言し、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の一環として原発の輸出を加速する構え。ただ、中国の原発技術には安全性や透明性の面で懸念が指摘されている。

 林氏は原発の安全性確保について「共通認識を持つことが大事。機会があることに伝えていく」と説明。中国などに“G7レベル”の達成を求めたい考えだ。

 パリ協定では、今世紀後半に世界の温室効果ガス排出量を実質的にゼロにすることを目指し、発展途上国を含むすべての国に対し5年ごとに削減目標を上積みするよう求めている。低炭素技術の需要が世界中で増加するため、技術力で先行する日本などは「環境技術を輸出するチャンス」(経済官庁幹部)にもなる。

 ただ、世界中にチャイナマネーをばらまく中国との競合に勝ち抜くのは容易ではない。日本は環境負荷が少ない天然ガスの利用促進などで国内の排出量を抑えつつ、G7と協力して安全性などの裏付けを持つ質の高い低炭素技術の売り込みを進める構えだ。