iPS細胞の作製に関する主な研究成果【拡大】
神経細胞に障害が起きて筋肉を動かすことが困難となり、やせていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者のiPS細胞から治療薬の候補物質を見つけ出すことに成功したのだ。難病のALSは発症メカニズムが未解明で、有効な治療薬もない。それだけにALSの治療薬開発に道筋をつける世界初の発見に医療関係者が驚愕(きょうがく)した。
米ア社との特許係争を回避し、iPS細胞の実用化にむけ前進するが、京大の事例のように係争で円満に解決できた例は少ない。日米間での特許訴訟の多くは米企業に裁判を起こされ、日本企業は敗れてきた。
住友電気工業は1980年代半ば、光ファイバーに関する特許をめぐり米コーニングと争って敗訴。33億円の和解金を支払い、米国から一時撤退した。
当時は日米の貿易摩擦が激しく、米国は知的財産の保護と活用を重視する「プロパテント政策」を掲げていた。住友電工の佐野裕昭知的財産部長(52)は「米国の産業政策の変化を見抜けず、戦略面で不十分だった」と今も悔しがる。