iPS細胞の作製に関する主な研究成果【拡大】
「世界中の難病患者を救う」。山中教授はこの言葉を目標を掲げ、米欧やロシアなどで特許を取得、中国や韓国でも出願済みだ。特許庁も「将来の青写真を描き、まず市場が見込めるところで特許を取得するのが有効」(沢井智毅・国際課長)と指摘する。
とはいえ、iPS細胞の技術開発はまだ途上で、山中教授以外にも米ウィスコンシン大学のジェームズ・トムソン教授が別の研究成果を発表するなど、世界中が開発にしのぎを削る。こうした中で、交渉下手といわれる日本人が特許係争を回避するひとつの有効手段は「圧倒的な技術力を持つことだ」(関係者)。
京大iPS細胞研の特許戦略は、資金力の乏しい大学や研究機関が競争を勝ち抜くための貴重な前例となるかもしれない。(松村信仁)