迷走した民主党政権の原発政策は、各党による「言葉遊び」の素地を作った。当初、地球温暖化対策として国内原発比率を5割に高めるとしながら、東京電力福島第1原発事故で態度を転換。既存の原発政策への世論の反発を意識し、エネルギー政策の司令塔を経済産業省から法的根拠のない「エネルギー・環境会議」へ移管して関係閣僚で決めることにした。
そして「40年廃炉ルール」などとの整合性をとるため、2030年の原発比率を15%程度にし、「脱原発」世論への配慮と電力不足回避の妥協案を模索。だが、討論型世論調査で決断を国民に押し付けようとしたことが裏目に出て、9月にまとめた革新的エネルギー・環境戦略では「2030年代の稼働原発ゼロ」を打ち出さざるを得なくなった経緯がある。
新政権はまず、エネルギー政策の議論を、経済成長など総合的な観点から行える姿に戻すことが喫緊の課題になりそうだ。
突破口は、経済産業相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会の立て直しだ。