確かに規制委員会の委員は政局の混乱で国会同意を得ないままの“仮免許”状態だ。ただ、ここに来ての人事刷新は、委員会の独立性にもかかわり、世論の批判は必至。このため、政治的判断が再稼働問題に影響する余地は限られるとの指摘もある。
さらに、来夏には「ねじれ」を引き起こしている参院の選挙が控える。日本未来の党は衆院選で、野田首相の判断で唯一再稼働した関西電力大飯原発の即時停止のほか、10年以内に国内の全原発を完全廃炉とする「卒原発」を掲げた。ある大手電力幹部は、「夏の電力需要期と重なる参院選では、原発の再稼働が話題となっているはず。(未来の党に合流した)小沢一郎氏は、嘉田由紀子代表を利用し、脱原発を集票の原動力にしようとしている」と警戒を強める。
新政権は、国民に日本の置かれた立場を正しく説明し、地に足のついた政策を着実に進めていくことが、今まで以上に求められそうだ。(吉村英輝)