日立ソリューションズ(東京)が開発したシステムは、年齢層と映り込んだ秒数を表示。商業施設の入り口に設置すれば、どういった客がどの時間帯に多く出入りするか、売り場であれば何に興味を示したかが把握でき、商品開発やレイアウト改善に生かせる。
このようにリアルタイムで得られる大量のデータは「ビッグデータ」と呼ばれ、マーケティングなどで利用されている。ある社の担当者は「企業はビッグデータを喉から手が出るほど欲しがっている」と指摘する。
捜査にも応用可能
2002年の米SF映画「マイノリティ・リポート」には、街中に設置された認証装置が通行人の網膜を自動スキャンし、個人を特定した上で次々と広告が映し出され、名前を呼びかけてくる一幕がある。
これは顔認証の“未来版”といえるが、東大生産技術研究所の佐藤洋一教授(46)は「今後5~10年で技術はかなり進歩する。技術的に映画のような世界はあり得る」と予測する。