支給額は夫婦で月に約11万円。収入に応じて決まる団地の家賃は1万円程度だ。節約を心がけ、1日2食。早朝の散歩が唯一の趣味という。
同じ団地には残留邦人の親族が多く住む。90年代の大量帰国時代、自治体が入居を斡旋(あっせん)したためだ。地区の残留2世以下が中心とみられる中国人の生活保護受給率は5%台で推移し、日本人よりも高止まりしている。1世には支援法に基づく給付金が支給されるが、2世以下は対象外。頼れるのは生活保護しかない。
平行社会
異国に暮らす外国人には言語、習慣、価値観という3つの壁が立ちはだかるといわれる。2世以下の受給率の高さはそれだけ日本の社会から隔絶していることを意味する。この団地の一角は日本人と交わることのない「平行社会」なのだ。
「ケッカク、病気。再発怖い」。王さんは受給について何度も「仕方ない」と繰り返した。もっと日本語を学んでおけば、という思いはある。だがそんな余裕はなかったのだという。今となっては習得は難しいがそれも仕方ない、と。