母親驚愕「息子の自転車事故の賠償金9500万円」の“明細”は… (4/5ページ)

2013.8.18 13:32

5年ほど前、この坂道で事故は起きた。小5男児の自転車と女性が衝突し、女性は今も意識が戻らず寝たきりの状態。男児の母親に命じられた賠償金は9500万円に上った=神戸市北区

5年ほど前、この坂道で事故は起きた。小5男児の自転車と女性が衝突し、女性は今も意識が戻らず寝たきりの状態。男児の母親に命じられた賠償金は9500万円に上った=神戸市北区【拡大】

  • 神戸市中央区の神戸地方裁判所

 また、大阪地裁が8年10月、夜間に無灯火で自転車を運転していた男性が、短大非常勤講師をはねた事故で、男性に損害賠償2500万円の支払いを命じるなど、自転車事故による高額賠償命令は以前から出されている。

 古田弁護士は「自転車でも過失があれば、しっかり賠償しないといけないが、自転車利用者の多くは保険に未加入で、自己破産する例も少なくない」と指摘する。

 自転車の普及推進や啓発活動をしている財団法人「日本サイクリング協会」(JCA)によると、全国の自転車の保有台数は7千万~8千万台で、うち約3千万台が日常的に利用されているとみられる。しかし、自転車の保険加入率について、JCAは「統計がないため把握し切れていないが、10%に満たないのではないか」との見解を示す。

 自動車の場合、自賠責保険の加入が義務付けられている。「損害保険料率算出機構」の統計では、任意保険の加入率についても、対人賠償保険、対物賠償保険いずれも73・3%と高水準となっている。

 一方で、自転車の保険は加入義務がなく、JCAは「自賠責保険のように保険加入を義務付けるなど、制度を整備しないと不幸は繰り返される」と警鐘を鳴らす。

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