7月28日に投開票されたカンボジア総選挙(定数123、5年ごとに比例代表制で改選)は、与野党双方が「勝利宣言」をして迷走が続いている。8月12日までずれ込んだカンボジア中央選挙管理委員会による暫定結果の発表によると、与党・カンボジア人民党が辛勝したが、野党・カンボジア救国党は受け入れていない。
当初懸念された大規模デモや衝突は発生しておらず平穏だが、フン・セン首相の与党は厳しい世論を相手に、難しいかじ取りを迫られている。
ほぼ互角の数
カンボジア中央選挙管理委員会によると、得票数は与党・人民党が約324万票、野党・救国党が約295万票。確定得票と獲得議席数は9月上旬にも発表される見込みだ。与党は全国のほとんどの州で野党を上回ったが、首都プノンペン、コンポンチャム州、プレイベン州、カンダール州といった人口の多い州では、野党が与党を上回り、有権者の不満が都市部ほど強いことを示した。