日本人が貢献
研究対象を動物に拡大して発展させたのが東京大の水島昇教授(47)だ。臨床医から転身して大隅氏のチームに加わり、98年に世界で初めて哺乳類のATG遺伝子を発見。オートファジーが細胞内に核を持つあらゆる生物で起きることを証明した。2006年には遺伝子操作したマウスの実験で、神経細胞のオートファジー機能が失われると、細胞に異常なタンパク質がたまって運動障害などが起きることを確認。オートファジーが栄養不足の解消だけでなく、細胞内を浄化して健全な状態を保つ役割も担っていることを突き止めた。
生体内のごみ処理システムは、不要な細胞を「自殺」させるアポトーシス(細胞死)や、細胞内の不要なタンパク質を見分けて分解するユビキチン・プロテアソーム系が主に知られていた。オートファジーはこれに続く「第3の機能」として注目され、研究が飛躍的に進展。約15年前に世界で年間数十本だった関連論文は、いまや年間2千本を超える。