一方、最高裁は違憲判断に関して、婚姻や家族について「国民意識の多様化が大きく進んでいる」としたが、どこが変わったのだろうか。
まず、伝統的家族の代表格である「夫は仕事、妻は家庭」だ。女性の社会進出で崩壊したとされる。1997年以降は共働き世帯が専業主婦世帯を上回っている。
本当に仕事優先の女性が増え、「妻は家庭」が過去のものになったのならば、出産後も働き続ける妻が増えているはずだ。ところが、国立社会保障・人口問題研究所が2010年に行った「出生動向基本調査」を見る限り、そうした傾向は見られない。
第1子出産前後に、「働き続ける」との選択をした妻は1980年代半ばからほぼ25%と横ばいで推移しており、むしろ、退職する割合のほうが年を追って増えている。
育児に価値見いだす
多くの母親は、子供に手がかかるうちは育児に専念することを選んでおり、「夫は仕事、妻は家庭」というモデルは依然大勢を占めているのだ。共働き世帯が専業主婦世帯を上回っているのは、子育てが一段落した後にパートなどで働く人が少なくないからである。