結婚直後は核家族を志向するが、結婚後10年ぐらいたつと、相続や老親の介護などの必要が生じ、親との同居に転じるケースが多いとのデータもある。
こうした例を見る限り、日本の伝統的家族というのは、戦後の社会の激変などがあっても、強固に受け継がれてきたといえよう。
むしろ、日本の家族の大きな変化は、晩婚や非婚という形で進行している。「家族のスタイル」以前に、新たな家族を築かない人の増大である。自らの選択で結婚しない人はともかく、問題なのは、低収入や雇用が不安定で結婚したくてもできない人が増えてきていることだ。
政府の少子化対策は結婚問題には及び腰で、「仕事と子育ての両立支援」に力点を置いてきた。伝統的家族の“崩壊の危機”がどこにあるのか、見誤ってはならない。(論説委員・河合雅司)