食品大手マルハニチロホールディングスの子会社「アクリフーズ」群馬工場(群馬県大泉町)で製造した冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された問題で、異臭がするとして昨年末までに同社に返却された20商品を検査する際、19商品の残留農薬について、国が定める残留基準値(0.01ppm)の100倍に当たる1ppm以上しか検出できない方法で検査していたことが9日、同社への取材で分かった。同社は、基準値まで検出できる方法だと時間がかかったため、検出精度を下げたとしている。
同社は20商品のうち、検査でコロッケやピザ、フライなど9商品から基準値を超えるマラチオンを検出したと公表していたが、通常より甘い基準で検査していたことは明らかにしていなかった。
これまで未検出や調査中となっていた残りの11商品についても基準値を超える微量なマラチオンが付着していた可能性があり、同社は今年に入り、基準値まで検出できる方法で再検査しているが、結果はまだ出ていない。担当者は「(問題公表時に)きちんと説明すべきだった」としている。