放射能を持つ元素の原子核は、放射線を出しながら時間とともに崩壊し、自然に別の元素に変わる。核変換はこれを人工的に加速させる技術で、原子核に中性子をぶつけて核分裂を起こさせ、半減期が短く毒性が低い物質に変えていく。いわば「現代の錬金術」だ。
もんじゅ停止契機
この研究は当初、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)が担うはずだった。核変換に必要な高速の中性子が運転時に発生するからで、長寿命の放射性元素を燃料に混ぜ、短寿命化する研究が検討されてきた。
しかし、トラブル続きのもんじゅは運転実績がほとんどない上、機器の点検漏れなどで原子力規制委員会から無期限の運転停止を命じられている。再稼働すれば研究も進められるが、先行きは全く見えない。
このため文部科学省の作業部会は昨年11月、原子力機構などの加速器施設「J-PARC」(茨城県東海村)に、加速器を使った核変換の実験施設を建設すべきだとする報告書をまとめた。