総工費220億円で2015年度に着工、20年にも実験を開始する。基礎データを蓄積した後、30年ごろから実用化に向けた新施設を建設し、50年ごろから核変換を行う見通しという。
核変換の仕組みはこうだ。長寿命の放射性元素を容器に入れて、中心部に鉛とビスマスからなる重金属の核破砕ターゲットを配置。ここに超電導加速器で光速の約90%に加速した陽子をぶつける。
重金属から高速の中性子が飛び散るように発生し、放射性元素の原子核に衝突。核分裂が始まり、電子を放出しながら核種が変わるベータ崩壊を繰り返し、短寿命で毒性が低い物質に変わっていく。
陽子は2年間当て続ける計画で、放射性元素は大半が短寿命化。理想的な反応が起きた部分は、放射能がない物質に変わる。
研究を担当する同機構の大井川宏之核変換セクションリーダーは「ネプツニウム237の場合、10%未満は長寿命のまま残る可能性はあるが、多くは放射能のないルテニウム102とセシウム133に変換される」と話す。