被害は23区北西部と近接地域に集中し、同関連本に異常な執着がみられるため、捜査1課は同一犯の疑いが強いと判断。男が被害のあった図書館に出入りしたとみて、周辺の防犯カメラの画像を検証しており、一部で似た男の映像を確認した。男のパソコンや携帯電話も押収。接続履歴が残っていないため、図書館の場所をインターネットで調べた痕跡がないか、ハードディスクの解析を急いでいる。
一方、ビラを張る様子は防犯カメラに写っているにもかかわらず、男は逮捕容疑を完全否認。一連の事件への関与も認めていない。男に特定の思想的背景はみられないが、言動に多少不安定な部分があるという。
【用語解説】アンネの日記破損事件
昨年2月~今年2月、東京都内の豊島区など5区と武蔵野市など3市の図書館38館と書店1店で「アンネの日記」などユダヤ人迫害関連本計310冊が破られているのが見つかった事件。米国のユダヤ系団体が犯行を非難。菅義偉官房長官は会見で「恥ずべきこと」と遺憾の意を示した。