--これまで、公の場で、笹井氏が理研のバッジを付けているのをみたことがないが
笹井氏「ここに出てきた目的は謝罪…、多くの皆さんに混乱、迷惑を与えてきたことについて、アドバイザーだった者として、センターの幹部としておわびを申し上げたいというのが一番大きい。一個人としてのみならず、理研の幹部の一人として、ラフな形ではなく、正式ないで立ちというか、理研の所員として臨んでいる」
《同じ質問が繰り返される場面もあった》
--山中氏への対抗意識は本当になかったのか
笹井氏「異なる万能細胞を研究している者同士ですが、誤解されている部分があるようなのでお話しておきますと、山中先生はiPS細胞の実験をしながらも、ES細胞を使うべきではないと言われたことは一度もありません。私たちもES細胞でできないことはiPS細胞の力を借りて研究を進めようとしています」
「私たちは、より原理研究を行っていて、山中先生は研究の出口というのか、応用研究に力を入れていらっしゃる。研究費を取り合うような関係でもなく、お互いの領域を尊重しながら研究をしています。組織にも対抗意識などはありませんでした」
《STAP細胞の問題では、研究室という師弟関係を育む場所の人間関係が浮き彫りになってもいる》
--(小保方氏がかつて在籍した)米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授は小保方氏に「戻ってくればよい」と呼びかけたようだが、研究者として小保方氏はどのような選択をするべきだと思うか
笹井氏「『戻っておいで』というのはバカンティ先生の親心なのだと思う。ほかに選択肢がなくてバカンティ先生のところに戻るしかないというのではなく、いろいろな選択肢があるなかで小保方氏が選ぶのであれば、論文を指導した者として、どんな選択でも応援したいと思います」